自分の感受性くらい

30代の頃、僕は腐りかけてて…

不意にラジオから流れてきたこの詩に、救われた、と言うより気が楽になりました、

強く厳しい言葉なのに楽になった、

茨木のりこ作
「自分の感受性くらい」

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて




気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか




苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし




初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった




駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄




自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかもの


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