ずいぶん雨が続いている気がしますが、相変わらずガットをお張りし、足や靴の相談に耳を傾けたりしております、
みなさんお元気でしょうか?
テニス専門店の主な仕事は、ラケットにガットを張り上げることです、それを専門にしているからテニス専門店と呼ぶ価値が生まれます、それを職業にしている人をストリンガーと呼びます、
今は誰でもネットショップが作れる時代、ラケットだけを売って、張りはフリーランス的な業者に依頼する様な業態もあるようですが、我々とは違います。
私は20代前半で転職しました、もちろんテニスは好きでしたが、それよりもガット張りに興味があって、この世界に飛び込みました、
幸いにも師匠が有名で厳しい人で、セッティングから始まり、縦糸だけを張って、戻してまた初めから、次に結び目練習、縦糸を張って、結んでそれを切ってまた最初から…..永遠とこの繰り返し、この練習ばかりで半年近く修行したかもしれません、おかげで最も大切な縦を張る技術が体に染み込みました、
理屈やノウハウで張りは上手くなりません、
数年後同業の大きな専門店系で働く人と話しをした時に、「僕なんか、張ったことないのに初日からお客さんのラケット張ってましたよ」と聞いて、腰を抜かしましたけど(笑)
「ボールを打つのはラケットではありません、ガットです」
一般的には、ラケット50+ガット張り方50=100%ラケットの性能と言われますが、実際には、60%以上はガットの選定+張り(ストリンガーの技量)に依存している、多くの専門店のストリンガーはそう心に秘めていると思います。
「あなたのラケットの半分は私で出来ています。」
張っていると、どうしてもこんな気持ちになってしまいます、
テニスを始める初心者の方のラケットでも、プロテニス選手のラケットでも、「このラケットの半分は私で出来ている」そう感じて張りますので、いつも緊張します。
あなたのラケットは誰に託していますか?
西山克久
ラフィノストリンガーチーム。
http://www.lafino.co.jp/fs/tennisshop/haridai