25年ガットを張る仕事を続けていますが、
この仕事で一番難しいのは、同じガット 同じラケット おなじテンション設定で、常に同仕上がりにすることなんです、
100%再現性を維持できることが、優れた技術、それは経験のみで培われるものだと思います。
指先と脳の経験値が良いストリンガーを育ててくれます、常に考え感謝しながら、数を張るしかありません、日々修行!
極わずかのズレ、テンションでいうと1pとか2pが、実際の広大なテニスコート上では、ボール1個アウト ボール1個短い結果となって現れます、
これが勝負にかけているテニス選手にとっては、命取りになることもあると思ったら、手が震える思いです。
「あの1球が入っていれば、人生は違っていた」かもしれない。
もしも私の仕事が普通のサラリーマンで、仮に子供がプロのテニス選手を目指すよう状態なら、絶対父が自分で張ろうなんて思いません。
自分の小遣い減らしてでも、プロに任せます
1、安いガット張りマシーンを購入して父が張る
2、専門店で1週間に1本以上張る
断然1の方がコストは低いです、
ただ、テニスという特殊性の高いスポーツにとって、ガットにかけるコストと、テニスのパフォーマンスはトレードオフの関係にあります。
ネットで調べれば、誰でも素人なりにガットの張り方は検索できる時代だからこそ、テニスに人生をかけている人には、色々な考え方を持ち合わせていただきたいと思います。
最近は足やシューズやインソールのことばかり話しているので、そっちの専門化だと思われがちですが、
本職はストリンガーなので、忘れないでいただければ幸いです。
「ガット張りも上手なんですか?」って言われると少しショック(笑)
西山克久