少年の気持ちにどう応えていいものか?
考えています。
体力が増しテニスも強くなり、以前よりガットが切れるペースが早くなった。
彼にとっては予想外だったのだろう。
ロールガットをラフィノでキープしてコストを下げてはいたが、それでもいよいよ厳しくなってきた様子。
ある日、「ロールを持ち帰えりたい」その表情は断腸の思いって感じだ。
元々学校で張れば、無料で張れたのかもしれない。
しかし彼は「ここで張りたい!」という気持ちが強かった。
「ラフィノで張る為にバイトをしたいけど、部活の時間がなくなる」と悔やんでいた。
その表情を見て泣きそうなほど私も嬉しかったが、練習できなくなっては本末転倒だ。
高い価値観と現実の板挟みで苦しんでいるように見えた。
そうかと思えば、同じ年代でもメーカーからテニス用品の無償を受けている人もいる。
選手やコーチがメーカーから提供を受けている用品はタダではない。
そのコストは、少年の様に貴重なお金を出して購入してくれた利益から捻出されていることをメーカーの販促担当者さんも忘れないで欲しい。
ラケット1本購入するのに、何ヶ月も悩み、親御さんに頭を下げまくって、色々なモノを我慢してラケットを買い何度もガットを張り替える。
我々はお客様の利益のために真摯に向き合い、時を惜しまず丁寧にお話しをしたい。
お店は、ただモノを買うだけの場所じゃなく、時には色々な悩みを話したり、好きなテニスラケットを眺めているだけで気持ちが癒されたりする人もいるだろう。
何も買わなくても、来て話して欲しい。
ラフィノ西山克久