テニスラケットの選び方
大きさ、重さ、バランスが3大要素
ラケットの各部名称
フェイスサイズ
ラケット面の大きさで、単位は平方インチ(inch)になります。
大きさによる違いは、面をトランポリンと考えると分かりやすいです。
面が大きいと、面は大きく”たわみ”、楽にボールを飛ばすことができます。
スイートスポット(正しくボールを弾く中央のエリア)も大きくなります。
それに対し、面が小さいと、スイングスピードは空気抵抗が小さい分、速くできますが、小さくなればなるほど、面は”たわまなく”なります。
つまり面は小さいほど板のように硬くなります。よって、ガットの”わたみ”よりも、面でボールを潰(つぶ)し、ボールの反発力で飛ばす要素が強くなります。
力に自信のある(スイングスピードが速い)方ほど、面の小さなラケットが適しています。
スイングスピードの速い方が面の大きいラケットを使用すると飛びすぎたり、コントロールが悪くなってしまいます。
楽にボールを飛ばしたい人は、少し大きめの面を選んで下さい。
一般的に面の大きさは、90インチ~115インチほどのラケットが多いです。
標準は100~105インチとなります。
ちなみに、ロジャー・フェデラーが使うプロスタッフ・シックスワン90は、その名の通りフェイスが90平方インチのモデルになります。
ラケットの長さ
長さの単位はインチ(inch)になります。
ほとんどのラケットは、27インチ(約68.6cm)になります。
”長ラケ”と呼ばれる、0.25~0.5インチ(1インチは約2.54cm)長いラケットもモデルによっては用意されています。
長い分、サービスの打点が高くなったり、遠くのボールに届きやすくなりますが、反面、正面など体に近いボールは取りにくくなります。
昔、マイケル・チャンが28インチのプリンスのラケットを使っていました。
普通は、27インチの選択で問題ありません。
ラケットの重さ
サイト上で表記されているのはガットを張っていない裸でのラケットの重さとなり、大体250g~330gのレンジのラケットが発売されています。
280gを切るのが軽量ラケット、310gが多いものが重い部類のラケットになります。
大きくは、軽いラケットは力を必要とせずに楽に振れるので初級者用、重いラケットは上級者用と分類できますが、体の大きさや体力によって選択することが重要です。
低学年のジュニアやシニアの方など力が弱い方は軽めのものを、他のスポーツなどの経験があり体力に自信がありラケットを速く振れる方は、テニス歴が浅くても重めのものをお勧めします。
スイングスピードを出せるなら重いラケットの方が速くて重いボールを打つことが可能になります。
迷ったら300g前後のラケットをお勧めします。
ラケットのバランス
ラケットの重心がどこにあるかを”ラケット・バランス”と呼びます。一番多いのは、グリップエンドから320mmのバランスのラケットです。
それよりも重心がトップにあるラケットを”トップヘビー”、逆にグリップ側にあるものを”トップライト”と呼びます。
トップヘビーなラケットは遠心力で楽にラケットを振ることができます。
逆にトップライトなラケットは操作性が良く、自らの力でスイングしてボールを飛ばします。トップライトは上級者用のモデルに多くみられます。
ラケットの重量が重いものでも、トップライトなラケットは実際に振って軽く感じます。
ラケットバランスの詳しい話
グリップサイズ
手で握るグリップ部分の太さ(円周)になります。標準は2番になり、数字が小さくなると細くなり、逆に大きくなると太くなります。
メーカー間で標準化された規格ではないので、若干、メーカーにより異なる場合もあります。
一般的にジュニアなど手の小さい方は細いグリップを、手の大きい方は太いグリップと言われます。
細いグリップはグリップチェンジがしやすいのでボレー向き、太いグリップは手の中でラケットが遊びにくいのでストロークに向いています。
迷ったら2番をお勧めします。
ちなみに、ロジャー・フェデラーのグリップサイズは2番だそうです。
プロにしては2番は細く、フェデラーはインタビューで「小さい頃から2番を使っているんだ、どうして変える必要があるんだい?」とインタビューで答えたそうです。
普通は、グリップの表面に 滑り止めを目的にグリップテープ(薄さ約0.5mm)を巻きますが、2枚重ね巻きをしてしまうと8角形のブリップの角の感覚が分からなくなるのでお勧めはできません。
ラウンド形状、ボックス形状
ラケットのフレームを輪切りにしたときの形状です。テニスラケットには大きく、断面が四角い【ボックス形状】と、断面が丸みを帯びた【ラウンド形状】の2つがあります。昔のラケットはボックス形状がほとんどでしたが、現在ではバボラのピュアドライブをはじめ、ラウンド形状も多く発売されています。
ボックス形状はコントロール性能に富み、”しなり”やすいラケットです。ラウンド形状はフレームの剛性が強くボールを強烈に弾いてくれます。
・ボックス形状の代表的なモデル:SRIXONレボエックス、babolatピュアストーム
・ラウンド形状の代表的なモデル:babolatピュアドライブ、Wilsonスティーム95
フレームの厚さ
ラケットを横からみた場合の厚さになります。17mm~30mmのレンジになります。
”厚ラケ”と呼ばれる厚いラケットの方がフレームの剛性が高く、ボールをよく弾きます。
”薄ラケ”は逆によく”しなり”、ボールを載せて打つ感覚を味わえます。
25mm前後の”中厚モデル”が多く発売され人気があります。
ストリング・パターン
縦と横のストリング(ガット)の本数になります。標準は、縦16本×横19本と考えていいでしょう。
これより目が細かくなると、コントロール性能が良くなりますが、スピン性能は目が粗い方がかかりやすくなります。
縦のストリングは、”メイン”と呼ばれるように、飛びや耐久性、スピン性能などに大きく影響します。
横のストリングは、”クロス”と呼ばれ、打球感や衝撃吸収に影響します。
縦糸と横糸で同じ種類のストリングを張るのが一般的ですが、
最近では、縦、横、違う種類、太さのストリングを張る”ハイブリッド”も流行です。
・ハイブリッド特集
テンション
ガット(ストリング)はストリングマシンと呼ばれる機械で張りますが、その時にガットを引っ張る強さになります。
単位は”ポンド”になります。
40ポンド~60ポンドが普通のテンションになります。
強く張るほど、板で打つような感覚になりスイングスピードが必要となります。
初めての場合は、中間の50ポンド程度をお勧めします。
ラケットによって、適正テンションが決められていますので、その範囲で張るようにしましょう。
黄金スペックとは?
フェース:100インチ、重さ:300グラム、バランス:320mm、のラケットを指します。
大ヒットモデル、バボラのピュアドライブがこのスペックになっており、その後、各メーカーがこのスペックに商品を投入しました。
世の中に広く出回った結果、”黄金スペック”と呼ばれるようになりました。
ステンシルマーク
ストリング(ガット)の上に特殊なインクでメーカーのロゴマークを塗ります。
特に打球には影響しませんので、プロのように振舞ってみたい方は一度印刷してみてはいかがでしょうか。
ラフィノでは無料でサービスしています。
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